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This Archive : 2009年06月

F1英国GPに行ってきました

2009.06.22 *Mon
6月21日、シルバーストーンサーキットでの英国GPに行ってきました。
今年でシルバーストーンでの開催も最後なので、ファンとしては、これは行かなければなりません。

ロンドンから電車で1時間でノースハンプトンへ。そこからバスで20分ほど行くと、シルバーストーンサーキットがあります。

サーキットでまず思ったこと。

「イギリス人はクールだぜ・・・。」

チームシャツを着ている人達が少ないんです↓。
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ほら、こちらも。。。↓
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先月行ったスペインGPでは皆気合いを入れてアロンソグッズを身に付けていましたが、イギリスはさすがF1の本拠地であり、沢山のチームがホームとするところ。観戦者達にも余裕があるのでしょうか。

そんな中での、身に付けているキャップなどの使用順位は、
① ブラウン(バトン)
② フェラーリ
③ マクラーレン(ハミルトン)
という感じでした。

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まずは、イギリスらしくフィッシュ&チップスで腹ごしらえ。

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発見!!!ブラウンGPショップ!!!
スペインにはお店がなかったけど、今回はブラウンGPグッズ買うのも、目的の一つです!
もちろん、キャップとシャツを買って、応援です。

我々の座席は、Copse Aです。
第一コーナー手前のホームストレートエンドです。チケットは、一人241.5ポンドでした。
シルバーストーンはサーキットと客席が比較的近い気がします。

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ホームストレート中央もこんな感じで見れます。

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なんと、目の前はブラウンGPのピット!!!
おおー。ブラウンが目の前に!

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第一コーナーもこんな感じで見えます。

P1000959_small2.png
フォーメーションラップスタート。
テンションあがります。
ベッテル、バリチェロの順でスタートしていきます。

レースは、ベッテルが驚異の早さが印象的でした。
一週毎に開いていくギャップ。先頭のベッテルと2番手のバリチェロの差がどんどん開いていき、ついにはホームストレートの幅くらいまですぐにギャップを築いてしまいました。なんて早いんだ!ベッテル!しかもベッテルは燃料はかなり積んでいたようで、ピットインもかなり遅かったです。まさに驚異。
一貴は予選良かったですが、やはり燃料がかなり軽かったようですね。
さすが抜きにくいシルバーストーンでしたが、目の前の第一コーナーでハミルトンがアロンソをオーバーテークするシーンは見れました。観客は喜んでいたけど、私はアロンソファンなんですよねぇ。

Button_small.png
結果。今日一番応援していたバトン(ブラウンGP)は6位。

Ba_small.png
そして、3位がバリチェロ(ブラウンGP)。よく頑張りました。

Webber_small2.png
そして、2位がウェーバー(レッドブル)。ピットを使ってバリチェロを抜き、どんどんギャップを築きました。

Vettel_small2.png
そして、優勝はベッテル(レッドブル)。ポール・トゥ・ウィンで、今季二勝目。
今日の走りは、素晴らしいの一言です。おめでとう、ベッテル!
レッドブルが1-2フィニッシュ達成。シルバーストーンはレッドブルに合っていたようです。


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シルバーストーン。

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帰りのバス乗り場は大混雑・・・。
違うところから乗ったのですが、ノーサンプトンまで、来るときは20分程度の道のりが、交通規制と渋滞で、2時間半かかりました。
大変でした。

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本日買った、ブラウンGPグッズ。キャップはバトンのカーナンバー22入りです。
胸元にあるのはチケットです。

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以前買った、フェラーリ、ルノーのキャップと並べてみました。


いやー、楽しかったです!
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先日、誕生日を迎えました

2009.06.21 *Sun
先日、誕生日を迎えました。

飲み、ご飯、買い物、お茶、という平和な誕生日でした。

・メールや電話頂いた方々
・お茶おごってくれた方
・ごはんをおごってくれた方
・インフルエンザになっていた方
・ケーキ買ってくれた方
・シャンパンおごってくれた方

みなさま、ありがとうございました。

そんな中、日曜日は英国GPに行ってきます!そして月曜日から、ポルトガルに行ってきます。

そう、今わたくしは休暇中なのです。

鳩山氏の更迭が納得できないだって!?

2009.06.17 *Wed
世論調査とやらの結果を見ました。
・鳩山氏の更迭→56%が「適切ではなかった」と回答
・鳩山氏の主張→59%が「適切だった」と回答

ホントですか?まるっきり、私の考えとは逆です。

いやいや、意見が違うのはいいんですよ。
しかし、こんな結果が出てくるということは、それだけ多くの郵政族が日本中にいるってことですよね!
ボク郵便局の利益超大事!地方に郵便局を!郵便局員は公務員で!万歳国営企業!ビバ親方日の丸!!!

ホントですか、、、?そんなわけ、、、ないですよね?
郵政族の詭弁に弄され気味な人が多いのではないでしょうか。
鳩山氏が「正義」とかいう言葉を振りかざすから、すっかり国民のヒーロー扱いなのでしょうか。

この話の根本をもう一回確認しておきましょう。
それは、郵政民営化です。

国鉄→JR
電電公社→NTT
日本専売公社→JT

など、日本で数多く起こってきた民営化の一連の流れに連なる大物です。
さて、なんで民営化するべきなのか?
お手本的な回答としては、競争主義の導入による、サービスの向上です。市場にまかせようよ、ということですね。そして、不必要なコスト(地方への多大なるお金のバラマキみたいなもんです)を排し、民間企業と競争させることでサービス向上を図り、そして企業として存続すべき形にリストラクチャリング(分割とか)されます。郵政民営化に関しては、財政投融資の見直しも大きいです。そして何より、旧態依然とした既得権益者層の解体です。

今回のかんぽの宿問題も、既得権益者層が、「かんぽの宿」というはっきり言って日本郵政にとってどうでもいい問題で、でも国民の正義心を煽りやすい問題を使って(超大事)、民営化にストップをかけようとしているようにしか見えません。

でも扇動されている多くの国民は、既得権益者層ではありません。
既得権益者層が、問題の本質を大きく歪めて、なんの関係もない国民達を扇動しているだけだと思うのです。
(嗚呼、利用されているような・・・)

郵政民営化で、「得すること/損すること」を考えるには、経済や金融やビジネスの知識が必要になりますが、「かんぽの宿で不正があった」と言えば前提知識は全く必要ないので、何も知らない国民に「なんか汚いことやってる」と思いこませて、正義心を利用して、世論を作りやすいと思います。
そのまま、「いったん白紙に戻してきちんと考え直しましょう」と美辞麗句を言えば、オールOK。民営化はストップします。

競争社会で勝っていくためには、みな努力しなければなりません。
規制社会で得していくためには、既得権益者層に入っていれば楽です。

さて、だれが楽をしたいのか。
本当に日本にとって良いのはどちらなのか。

そして、郵政の裏に眠っている、大きな利権をどうすべきなのか。

「細かい問題で、民営化の本質から目を逸らせて、ストップさせようとする」という手段は、昔から存在したトラディショナルな手段です。
いい加減、それに引っかからず、本質を見つめて、考えないと、日本郵政は規模も大きいので、将来に向けて、大きな間違いを引き起こしてしまうかもしれません。

日本郵政というのは、世界最大級の銀行・保険会社でもあります。
その民営化の是非や影響を論じるには、少しばかり、金融のことをしっている必要があります。
これが若干曲者で、多くの『意味分からない愚論』がまかり通っています。

よくある「アメリカにお金を差し出すためのもので、小泉・竹中は売国奴だ」というのは、もはや現実をまともにとらえていない、最低級の意見だとおもいます。

アメリカの要求は、保険市場の解放を求めていた件だと思いますが、それは日本の保険会社とかんぽ生命が頑張ってサービスを向上し、国民のお金を預かれば良いのです。
そして、上場しても、素晴らしい経営を行って株価を高い水準で維持し、買収されにくくすれば良いのです。


というわけで、郵政民営化にストップがかかるような形に、かんぽの宿問題が尾を引かなければいいなぁと思う今日この頃です。

鳩山さんが辞任/更迭だってさ

2009.06.14 *Sun
うまくやったよね、というのが第一感想です。

西川社長に破格のポストを別に用意して、かつプレッシャーかけて、辞任に追い込むっていうのが、当初のシナリオだったんじゃないかと思います。でも、西川社長が折れないし、指名委員会は当然続投を支持するし、世論もなんだか「鳩山氏意味不明じゃね?」っていう声が大きくなってるし、という、ちょっと自民党にとって芳しくない環境。そんな中でとった手段としては、バランス取れているんじゃないかなーと思います。
(誉めてるわけじゃなくて、自民党が今できる範囲としてはうまくやったよね、ということ)

鳩山氏を更迭するっていうことは、郵便局票を切り捨てるっていうこと。
そんな鳩山氏は「新党を立ち上げる」とかなんとかいう声もありつつ、きっと自民党に残ると思うのです。
そして、鳩山氏の側近議員達も自民党に残るだろうし(たとえば郵政民営化反対の古川環境政務官も辞めるとか言ってたのに辞めないし)、じゃあ、郵便局の人たちが「どこに投票すればいいの?」って思った時に、「もう一回鳩山さんに!」とか言って、自民党に投票せざるを得ないと思うんですよね。

もしかしたら、これを民主党との対立軸にしたかったのかもしれない。鳩山氏→西川氏反対、民主党→西川氏続投って。でも、野党も一致団結して、西川氏降ろしに回っちゃって、その対立軸の線も消えてしまいました。野党もねぇ、自民党みたいに党内で賛成派、反対派つくれるわけじゃないんだから、今回の鳩山氏辞任・西川氏続投では、彼らにとっては微妙ですね。結局日本で資本主義を進められるのは自民党しかないのかな。

閑話休題。
当初は自民党も、「また国民が『西川おろせー』とかなって、国民の支持を味方につけられるじゃろ、わっはっは」とか思っていたと思うんです。
ところが、「鳩山氏の言ってること意味わかんねーぞ」っていう声が大きくなって、特に経済系とかからね、自民党としても「なんか思ったほど、国民がおどらねーぞ!っていうか、すんなりいかなくてこのままじゃ逆効果では?」と思ったのではないでしょうか。

そうなると、西川氏を切るより、鳩山氏を切って党内に反対勢力として残しておいた方が、票はあつまるだろうな。
西川氏応援派は自民党の決断にOKするだろうし、鳩山氏応援派も前述のように、自民党に投票せざるを得ない。

そんな環境の中で、期日(株主総会)が近づいてくる中での、取りうるシナリオとしては、まぁこれしかないだろうなー、という感じです。

夏の選挙までに、自民党がなんとか頼りたい一ネタがあると思いますが、何が来るでしょう。景気浮遊が数字となって現れる?民主党をまた叩く?新しい国民との共通の敵探しをする?
なにか、なにかはきっと選挙までに来ると思います。


相変わらず、日本の新聞は「正しいことを言っていた鳩山氏をやめさせるなんて!という国民の声」みたいな意味不明な報道をしていますが、今こそまじめに民営化の是是非非論を、紙面できちっと論じるのがマトモな新聞だと思います。
そんなんじゃ、そのうち国民からも愛想を尽かされちゃうぞ、と思うのですがね。どうなんでしょ。

次は、民営化の中で上場をどう戦略的に考えていくか、ですね。
郵政系の会社の上場は、キャピタルゲイン狙い(保有株式の売却益)を狙っていくことになると思います。だって、あの三社じゃエクイティファイナンスは当分要らないでしょ?(たぶん。まともに財務諸表見てないですけど)
となると、あとはいつ上場して、政府がキャッシュを得るかですね。
もちろん、上場したら海外の会社に買収をしかけられることもあるでしょう。
日本の郵便業務独占企業だし、そこに目をつける外国企業がいるかもしれない。
そのためにJ-Powerよ再び、となるか、対内直接投資規制をがっつり最初から入れておくか。
でも、それって買われて困るの?
じゃあ銀行と保険の方は?買われてこまる?外資系になったら困る?
外資系の銀行や保険会社がこれだけ日本でビジネスを展開していて、国民も外資系の安い保険会社に続々と加入する時代に、そこに規制かける?

いつか起こる議論だと思うので、そういう話を今のうちから、マスコミは議論し始めていってほしいなーと思う今日この頃です。

近況報告

2009.06.12 *Fri
とりあえず、前回の宣言通り、「近況報告」というタイトルで書き始めてみます。

六月も中旬になりました。
私のロンドン滞在も六ヶ月目ということになります。

今週の火曜日の夜からロンドンの地下鉄がストライキを始めました。
木曜日の夜までの48時間ストライキです。

このせいで、ロンドンの通勤はパニックです。
バスが臨時で大増発されたため、街は、バスで埋め尽くされています。
本当に、バスが10台くらい並んで走ってきたりします。
しかし、それでもバスは満員で、皆、諦めて徒歩で会社に向かう人が多く見られました。
まるで、ゲルマン民族大移動のような光景です。(アングロサクソンだけど)

私の場合はこうです。
水曜日: 40分バスにトライ→乗っても途中でバスが止まったりして全然進まない→20分かけてタクシーを捕まえる→45分かけて出社
木曜日: 25分かけてタクシーを捕まえる→60分かけて出社

いつもなら、タクシーで20分くらいで着く道が、大混雑で(だって色んなバスがバス停ごとに止まるから)、まったく進まない状態でした。
タクシーも全然いないから、捕まえるのに時間がかかりました。


今週後半は、結構仕事が忙しくて、3-4時まで働いていました。そして、最近のロンドンは朝3時半には明るくなり始めることに気付きました。
そのロンドンの朝焼けが素晴らしい!

たぶん、東京より緯度が高いから、太陽光線が斜めに空中に入って、空中を飛ぶ距離が長いからだと思うのですが、とても神秘的な色になります。
これなら、ハリーポッターも飛ぶなーという感じです。
青がすごくきれい。

日本だと4時半くらいから明るくなる感じでしょうか。3時半に明るくなり始められると、遊びに行きたくなる感じです。

そんな明るい中、そろそろ寝ようと思います。今、4時になったところです。おやすみなさい。

うんさんとのコメントやりとり(これで最後)

2009.06.05 *Fri
まずは、うんさんのコメント
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これまでの経緯を読む限りでは、日本郵政の経営陣に対しては徹底して性悪論で考えるべきかと思います。
ただ、こう言ったお話は平行線にしかならないと思いますのでこの辺で。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
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コメントありがとうございました。
平行線になる直前までの段階では、なんとなくコメントが出尽くした感がありますし、おっしゃる通り、これで最後にしたいと思います。

ブログの双方向性が感じられて面白かったです。

お互いが興味を持つに至った立脚点が、

うんさん: 「日本郵政の経営陣は、何か悪いことをしてそうだ」
私: 「鳩山総務大臣の言っていることは意味が分からん」


という、若干立場の違うところから出発していると思います。

一応、私の立場を明確にしておくと、
・鳩山氏の言っていることは、本当に意味不明だと思う。
・日本郵政が「何か悪いこと」をしたのかどうかは、分からない。

という二点があげられます。

日本郵政は、もしかしたら悪いこと(違法行為等)をして、徹底的に隠しているのかもしれません。
私は、「日本郵政は絶対正しいのだ!」とは、言いません。
「日本郵政の言っていること」は、鳩山氏の発言より「よっぽど合理的で、それほど変ではない」とは、言っています。
しかし、日本郵政が嘘ばっかり言っていたら、そもそも前提が違います。


M&Aの世界は、経営の世界と同じく、世界共通のビジネス言語を用いて議論が組み立てられる世界です。コーポレートファイナンス、会計、税務、法律などを知らないと、議論に参加できません。(特にコーポレートファイナンスは必須)

日本で、一般の方レベルでは、なかなか前提知識を有し得ないのが現状です。
(ちなみに、いくつかの会話を通して、イギリスの人の方が、ちょっとした知識があるな、と思った経緯がありますが、まぁ、あまり変わらないかもしれません)

しかし、高度にグローバル化された経済環境の中で、日本経済の強化と、国際競争の中での日本企業の復活・成長のためには、できるだけ多くの国民が、グローバル共通言語で動いている経済・経営・投資に深い知識を持ち、国全体での更なる発展も重要だと思っています。

企業を保有するのは、株主であり、株主の大多数は機関投資家です。機関投資家は、国民の年金や、預貯金などを運用しており、全国民が間接的に、日本や世界の株式市場に参加し、企業活動を支えていると言っても過言ではありません。

すでに日本の企業の半数くらいの議決権は外国人株主が保有しています(たしか)。企業はグローバルな投資家のサポートを受けながら、国際競争を行っています。

まさに今回のかんぽの宿など、国民にも分かりやすい例が出てくるのはとてもいいことだと思います。
これらをきっかけに幅広い人が、問題意識なりをもって、調べたり、考えたり、議論したりして、ちょっとずつ、全体知が高まっていくことは、長期的に日本経済に有意な影響があると思います。

働いている企業での行動、経済を見る目、お金の使い道、資産運用(預貯金含む)の考え方、すべては、同根です。

M&Aというのは、経営に関する様々なポイントでの議論が必要なことから、「経営者のいいトレーニング」とも言われています。

こういったことからでも、少しずつでも日本経済にプラスの影響があり、日本経済がさらに発展していくことを祈っております。


(まとめ編おわり)
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(コメント編)

最後ですし、もうすべての点についてはコメントしませんが、いくつかの点だけコメントを書いておきます。

● OpCo/HoldCoストラクチャー
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(オリックスとの)かんぽの宿の譲渡契約の主な内容は、会社が、平成二十一年四月一日に会社分割を行い、分割により新設された株式会社の株式数を千株とし、一株当たり千八十八万六千円でオリックス不動産株式会社に譲渡するというもの」だそうです。
これを読む限りではまずは一社としてスタートするはずだったようですね。
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私の説明が不足していたようです。
一応説明しておきますね。(絵を描いてみます)
OpCoPropCo.jpg
不動産的な色彩が強い事業を行う企業は、往々にして、事業を「事業運営会社」〈Operating
company、略してOpCo・オプコと呼びます)と、資産保有会社〈Property company、略してPropCo・プロップコと呼びます)に切り離すストラクチャーを取ります。英国でも非常に一般的ですし、日本でもたとえばゴルフ場運営会社はこのようなストラクチャーを有しています。
このストラクチャーでは、特殊性の強い事業用途(たとえば宿泊業など)により収益を生み出す不動産と、その事業自体の所有を分離することができます。このときにセキュリティーパッケージというグループ全体での担保権の設定を行ったりするのですが、私が言っているのはこういうことです。
対外的には、上図のHoldCoの株式を売買することにより、この企業全体の売買ができます。

● SPAの件
(長々とコメントを書いてみたのですが消しました)
この点については、触れないことにします。

M&A契約というのも、ほぼ世界共通で決まっている型というものがあり、専門にしている弁護士が大勢います。契約交渉に臨む我々インベストメントバンカーもそれなりの知識と経験を有しています。
我々はSPAの一部を切り取ってきて、「これをどう読むか」みたいな乱暴な議論はしません。

プロフェショナルな観点から、法務問題については弁護士に聞くのが最適です、と言うに今は留めておくことにします。


● セールス アンド リースバックで儲かるという話
おっしゃっている話が本当に実現可能であるならば、セルサイドである日本郵政は、「こういうことができますよー」と示して、買い手の価格を高める努力をすべきですね。
でも、外部の人が気づくような手口は誰でも気がついていたと考えるのも自然な発想です。そのうえで、なんでそうなっていないかというと、何かそれが実現不可能であるという理由が存在するのでは?と考えるのも自然なのでは、と思います。
真偽は不明ですね。

● 取引が公明正大なのか
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ここの項も結局は公正な入札が前提ですよね。その点、この取引が自明に公正なものと考えられているブログ主様と疑惑のデパートと考えている私の間には、深くて暗い河があるわけですが・・・
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私は公明正大とは言いません。
何回か繰り返して書いているとおり、不正や違法行為があったのかどうかは「不明」です。
私が言っているのは、「彼らの『説明』は合理的であり、鳩山氏の『説明』は合理的ではない」ということです。
うんさんのように、「疑惑のデパートだ!」と考える国民がいらっしゃることは、素晴らしく重要なことであると思います。
だからこそ、国民による政治のチェックが可能であり、市民オンブズマンのような機能が働くわけです。
疑惑があるとお考えであることは、尊重致します。
是非、追及され、真実を明らかにされれば、と思います。

● 保有コスト100億円
「とか」と付けた通り、例のつもりです。
数字は知りませんが、「赤字数十億円」という話と、「固定資産税評価額が結構高い」といううろ覚えの話から、数十億円規模の事業でのキャシュアウトフロー、さらに多額の固定資産税の支払い、などなどで結構保有コストかかるのではないでしょうか。

● 念のため
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失礼を承知で言えば、これはちょっと議論をする上でお粗末な態度ではないかと。条文のリンクも示したのはそれが大きな意味を持つとこちらが考えたからなのですから。
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失礼を承知で言えば、
① 私は自分の時間を最大限投下して、本件のすべての資料を精査する気はありません
② プライベートのブログで詳細で厳密な議論を展開する気もありません
③ すべての点について、うんさんと「議論」するつもりもありません

本ブログはあくまで余暇の趣味の範疇です。
クイックビューで、おかしいと思う点について、私なりにコメントしている、とお考えください。

ちなみに、私も是非、うんさんがコーポレートファイナンスや、会計、税務、ストラクチャー設計、M&A関連法(会社法、金融商品取引法など)について、書籍を読んで頂くことには大きな意味があると思います。そうすると、専門的な議論になっていいかなーと、ちょっと思いました。
価格決定メカニズムについても、発展的な議論ができるかもしれません。
報告書では、減損会計が結構ポイントになっておりましたし、このあたりは会計的な知識のバックグラウンドの有無によって理解が大きく変わってこようかと思います。
価格の妥当性を判断するには、上記を含めた各分野の知識に加えて、マーケット感覚やプレーヤーの状況理解が必要です。これらを知ったうえで議論すると、深い議論になるかな、と思いました。

とは言うものの、うんさんにとってもこれは行きずりのコメントだと思いますので、そうも言わず、私のコメントが、うんさんにとって、ちょっとでもご参考になっていれば、幸いです。


なんかもう、飲みながら話をした方がいいような雰囲気になってきましたが、そうもいかないと思いますので、本件、このあたりで終わりにさせていただきます。

沢山の、コメントありがとうございました。



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硬い話が続いてしまいましたが、次回は、本ブログのメイン目的である、「友人・知人への近況報告」に戻ろうと思います。
読んで頂いた方、ありがとうございます。

さて、全文読んだ方は、どれくらいいらっしゃるのでしょう。。。

うんさんの疑問3「賃貸借でもいいのではないか?」にお答えします

2009.06.04 *Thu
またまた、コメントありがとうございます。

まずは、うんさんのコメント

● 売却する必要なかったんじゃないの?
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かんぽの宿についても、不動産を売却せずとも同じように賃貸借として(一括であれバラであれ)事業委託を行う選択肢もあったはずです。
このような経営判断の違いについて、経営者は株主に説明を尽くす義務があると思います。それができない経営者であれば、その裏に背任行為があると疑われても致し方ないケースでしょう。
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さて、上記のコメントですが、これは、そもそも論ですね。
別に経営としては、事業委託でもいいのではないでしょうか。そこまでのそもそもの経営論は、経営者のやり方によります。
しかし、たしか、今回は、「売却せよ」という風に、法制度で定められていたんですよね?
だったら、それは所与の条件です。
経営者が完全に自由に経営できるわけではなく、法律による強い強制力が働いています。

というわけで、このそもそも論は、経営の問題ではなく、政治の問題です。
小泉・竹中氏の郵政民営化に賛成か、反対か、という議論です。
これは政治論争ですので、脱線するので、ここでは省きます。もっとここにフォーカスしているブログも沢山あると思いますし。
(ちなみに私は、民営化賛成です。)


● メルパルクは売却してないぞ!
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竹中元総務相が閣議決定数日前に日本郵政株式会社法(http://law.e-gov.go.jp/announce/H17HO098.html)に加えたと言われている附則第2条において、5年以内の譲渡又は廃止が義務付けられていた施設は2つあります。
一つはメルパルク、もう一つがかんぽの宿です。(ラフレさいたまや首都圏の社宅9件には法律上の処分義務はありませんでした)

同一法文で扱われているのですから、メルパルクも同じように不動産を含めて売却されているのかと思って調べてみると、こちらは不動産を日本郵政が保有したまま、昨年秋にワタベウエディングと7年間(この期間設定も法律に反していますが)定期建物賃貸借の契約を取り交わし、賃料を受け取っているということが分かります。
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上記の日本郵政株式会社法のことは、私は知りません。
郵政の法律に関する専門家ではないですし、このプライベートブログでそこまでする気はないことをご了承ください。私は法務の専門家ではありません。

ポイントとしては、売却しろということなのに、売却してないぞ!ということだと思いますが、背景はまったく知らないのですが、法律でそう決まっているのであれば、売却するのではないでしょうか。
さすがに、違反はしないと思います(法律自体総務省が買えちゃうかもしれませんが)。

7年というのは、私は知らないので、日本郵政に聞いてみたらいかがでしょう。
「いつ売るのよ?」と。
意外と答えてくれるかもしれませんよ。

● 経営判断の違いについて
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このような経営判断の違いについて、経営者は株主に説明を尽くす義務があると思います。それができない経営者であれば、その裏に背任行為があると疑われても致し方ないケースでしょう。
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まず経営判断が違うのかどうかは、上記で書いたとおり、違うのかどうか定かではありません。

さて、経営者(日本郵政は委員会等設置会社ですので、取締役や執行役)は、「善良なる管理者の注意義務」(善管注意義務といいます)を負っています。

職務や能力によって、求められることを、合理的な範囲できちんとやっているかが重要ですが、かんぽの宿に関する様々な意思決定は、私が外部から見ている限り、「不適当とはいえない」という範囲内に入ると思います。

これに関しては、下記リンク先にある、「不動産売却等に関する第三者検討委員会」の報告書にも記載がありますので、ご興味があれば、御覧になってみてください。
http://www.japanpost.jp/information/other/


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さて、いかがでしたでしょうか。

法律的な解釈や、政治的な解釈は、別のブログや、インターネット上のフォーラムで活発に議論しているところがあると思いますので、ご興味がありましたら、そちらをご覧になってみてください。
ここでは、そこまで立ち入る気はありません。

仕事後に書いているプライベートブログですので、ご了承ください。

もうロンドンは深夜の3時半です。(ブログに表示される時間はサマータイムが加味されていないようです)

ちょいと明日から仕事が忙しくなりそうですので、コメントいただいても、返信が遅くなる可能性があります。

それでは。

うんさんの疑問2「抵当に入れると買収価格以上引き出せるのはおかしい」にお答えします

2009.06.04 *Thu
コメント、引き続きありがとうございます。

まずは、うんさんのコメント
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ところで、ブログ主様は日本郵政とオリックス間の、契約文面をご覧になりましたか?

第3.7 条1項「買主は、クロージング日後少なくとも2年間は、売主の事前の書
面による承諾を得ることなく、(a)本件株式につき、第三者に対する譲渡、移転
又は担保権の設定その他の処分をしてはならず、(b)事業譲渡・会社分割等の方
法を問わず、対象会社をして本事業又はその主要な一部を実質的に第三者に対し
て譲渡させてはならない。但し、()本事業の発展的かつ継続的な運営に資さな
いと、合理的な根拠に基づき買主が判断する個別資産の譲渡又は施設の閉鎖及び
()買主が本事業の発展的かつ継続的な運営を行うことを前提とする特定目的
会社その他特別目的会社等への資産の譲渡又は資産への担保権の設定について
はこの限りではない。

こういう条文です。
このことから、オリックスは売却後に857億円の固定資産税評価額のあるかんぽの宿70ケ所・ラフレさいたま・首都圏の社宅9か所を即座に抵当に入れて資金を引き出すことも、SPCに転売して現金化し、リースバックして運営を続けつつ証券化して小口債券にして売りさばくことも可能だったわけです。
また同時に、ゴーイングコンサーンに疑問のある宿についてはオリックスの一存での即時廃止も可能です。といっても、現状で黒字の宿は10件くらいしかないそうですから、収益改善の努力を放棄するなら大部分の宿は簡単に疑問符を付けられますね。

このように、かんぽの宿の不動産を利用して様々な資金調達が可能な条文ですから、オリックスは購入のための109億円の現金を、かんぽの宿を抵当に入れて賄って500億のお釣りまで来るという(固定資産税評価の8割のカネを三井住友銀から引き出せたとしてです)とんでもない契約だと読めるわけですよこれは。
だから、私は最低でもこの取引は清算価値以上で売るにふさわしい案件であり、顧客のためにそうすべき案件だと申し上げるわけです。
いかがでしょうか?
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これは一見したところ、SPA(Sales and Purchase Agreementのことで、日本語だと売買契約書ですね)の一部のようですね。

このSPAを見たことがありません。(または、忘れています)
これはどこかでダウンロードできるのでしょうか?

プライベートブログで徹底的にあらゆるの観点から解明するつもりはありませんので、当該資料を全て精査する気はあまりないことを、あらかじめ正直に申し上げおきます。

また、基本的にSPAなどの法務に関しては、投資銀行もコメント致しますが、基本的に弁護士を雇って専門的アドバイスをもらうのが一般的です。投資銀行は法務の詳細については、責任をもってアドバイスできません。M&Aに臨む際は、当事者は、フィナンシャルアドバイザーである投資銀行、法務アドバイザーである弁護士、会計アドバイザーである監査法人等、税務アドバイザーである税理士等、ビジネスアドバイザーであるコンサルティング会社等、環境アドバイザーである環境DD会社などなどを雇って、アドバイザーチーム団を作って、アドバイスを受けます。

さて、そんな前提の中ですが、私なりに、うんさんのコメントについて、ひとつずつコメントしてみたいと思います。

● 抵当に入れて融資、またはリースバックが可能なのか
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オリックスは売却後に857億円の固定資産税評価額のあるかんぽの宿70ケ所・ラフレさいたま・首都圏の社宅9か所を即座に抵当に入れて資金を引き出すことも、SPCに転売して現金化し、リースバックして運営を続けつつ証券化して小口債券にして売りさばくことも可能だったわけです。
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そうでしょうか?
SPAの法律的文言に対して、自信を持って、コメントできる立場でないことは、前述のとおりですが、私は、そうは思いません。
第1項、(a)で譲渡や担保設定を禁止しているからです。
但し書きの(ii)のことをおっしゃっているのだと思いますが、「買主が本事業の発展的かつ継続的な運営を行うことを前提とする特定目的会社その他特別目的会社等への資産の譲渡又は資産への担保権の設定についてはこの限りではない」という部分は、リストラクチャリングのことを言っているのではないでしょうか。
かんぽの宿という会社のストラクチャーがどうなっているのか分かりませんが、これだけの様々な資産を持つ会社として、OpCoとPropCoにすることを意図しているのではないでしょうか。
簡単に説明すると、法人を3つ設立します。まずHoldCoと言って、一番上部にくる持ち株会社があります。この会社はOpCoとPropCoの株式のみを所有します。OpCoは、運営主体です。従業員や、運営に関する業務はこちらの法人で行います。PropCoは不動産所有のための法人です。
法務的、税務的、ビジネス的に、このようなストラクチャーを取ることはあります。
このとき、会社が負債を外部調達するにあたっては、PropCoにつけてもいいですが、HoldCoにつけてもよく、その時はHoldCoからPropCoに内部で貸出が行われ、その際担保を設定したりする可能性があります。

この部分だけ読んでも、背景がよく分かりませんが、危惧されるような、「バンバン転売するぞ!」ということが可能なようにはなっていないと思います。

● 抵当に入れて融資に入れるのがいけないことか、リースバックで現金化するのがいけないことか
上記の条文からちょっと離れて一般論で考えてみます。
まず、リースバックというのは、自社で抱えている資産を売却するが、使用はつづけるため、買主に対して賃貸料を支払う契約のことです。(セールス アンド リースバック、といいます)
これは、バランスシートに巨大な資産(本社ビルなど)を抱えたくない企業や、一時的に現金が必要になった会社が行います。2007年のころは、苦境に陥った会社が本社をセールス&リースバックして、現金を得る例がありました。あのころは不動産がかなり高く売れたので。
これは売却して現金は入りますが、将来も使用し続けるために、相応の賃貸料を支払っていかなければならないんですね。つまり売ったからといって丸儲けできるわけではありません。
また、理論上は賃貸料を支払い続ける方が、売却額より高くなると思います。
(そうじゃなければ、だれも買ってくれないですよね)

抵当に入れて融資を受けるというのも、銀行などからお金を借りるだけで、債務は返済しないといけないため、確かに手元に現金はやってきますが、返さなくてはならないお金です。返さないと、資産を没収されてしまいます。銀行は理論的には貸す金額に見合った資産を担保に入れることを求めてきますし(まぁ必ずしもそうでもないんですけどね)、資産価値が目減りしたとなれば、担保の追加差し入れを求めてきます(厳しいですよ)。

● 即時廃止ができたのか?
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また同時に、ゴーイングコンサーンに疑問のある宿についてはオリックスの一存での即時廃止も可能です。といっても、現状で黒字の宿は10件くらいしかないそうですから、収益改善の努力を放棄するなら大部分の宿は簡単に疑問符を付けられますね
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これは、但し書き(ii)「本事業の発展的かつ継続的な運営に資さないと、合理的な根拠に基づき買主が判断する個別資産の譲渡又は施設の閉鎖」の部分をおっしゃっておりますでしょうか?
これは、おそらく、「使っていない倉庫の売却」や、「なくてもいい自動車の売却」を念頭に入れている条文だと思います。
ゴーイングコンサーンに疑問のある宿(黒字以外のすべての宿)をどんどん閉鎖していいということではないと思います。
SPA全文を読んでいないので、なんともいえませんが、それでは、「本事業の発展的かつ継続的な運営に資さない」に反してしまうのではないかと思われます。


● とんでもない契約なのか?
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このように、かんぽの宿の不動産を利用して様々な資金調達が可能な条文ですから、オリックスは購入のための109億円の現金を、かんぽの宿を抵当に入れて賄って500億のお釣りまで来るという(固定資産税評価の8割のカネを三井住友銀から引き出せたとしてです)とんでもない契約だと読めるわけですよこれは。
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まず、買い手が保有資産(かんぽの宿)を利用して、資金調達するのは、まったく悪いことではありません。

例えば、企業買収の手法にLBOという手法があります。
対象会社の収益から将来返済していくことを前提にお金を借りて、会社を買うわけです。
簡単に例をつかって説明します。ある会社がこの先7年間で200億円くらい借金返済に回すお金がありそうだな、と考えられれば、銀行が買い手に200億円貸してくれるわけです。あとは自分でお金を出して、その会社を買って、7年かけて銀行に200億円を返します。という手法です。
もう30年以上世界中で使われている手法でしょうか。ファンドだけでなく、事業会社でも似たようなスキームを用いることがあります。(決してハゲタカの代名詞のように見ないでください。財務的には正しい手法です。金融の発展のひとつとお考えください)

次に、担保に入れて、500億円借りられるとしても、そのお金は返さないといけません。
返さないとかんぽの宿を銀行に取られてしまいます。ひょっとして取られてもいいと思っておりますでしょうか?それはもう売却益のコンセプトに近くなるわけですが、本当にそれが可能であれば、他の買い手がもっと高い値段で入札してくるはずです。(ちなみにオリックスが踏み倒し前提で借金するとは思えません)

そうでないということは、それほどの担保価値がない(銀行も最近は収益還元で見ますから、固定資産税評価ベースで貸してくれないと思います。ましてや事業存続前提の宿泊業ならなおさらです。)か、コストがすごくかかる(持っているだけで毎年100億円かかるとか)ので、経済的に等価に近くなるということだと考えられます。

現在、銀行も大変賢くなっており、こういった事業にお金を貸す際は、担保にも取るし、事業の収益性も四半期に一回チェックして、基準を下回ると、全額即時返済を求められたりします。
そうやすやすと、お金は貸してくれません。

かんぽの宿は、決してうちでの小槌ではないのです。

● 清算価値以上で売るにふさわしい案件なのか?
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だから、私は最低でもこの取引は清算価値以上で売るにふさわしい案件であり、顧客のためにそうすべき案件だと申し上げるわけです。
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まず明らかにしておきます。
① 清算価値がいくらなのかは、不明です。
(2,400億円というのは建設費ですし、固定資産税評価額も清算価値ではありません)

② 高く売れるのであれば、売った方がいいです。
うんさんのおっしゃる通りです。
しかし、これだけ入札をして、皆金額を提示して、最高額を出した人(オリックス)に売却したわけです。
誰がこの値段より高く買うのでしょう。
ポイントは、「高く買ってくれる人を合理的な範囲で探しましょう!」ということです。

評価額はあくまで評価額。
理論上の数値でしか、ありません。
そのお金を支払ってくれる買い手が存在することが大切なのです。

あと、「合理的な範囲」というのも大切です。
経営というのは、限られた資源をいかに効率よく分配し、リターンの最大化を求めていくものです。
小さい問題に、全精力を費やすのは、超巨大企業日本郵政にとって、極めてバランスの悪い、それこそ経営として不適当な行動です。


いかがでしょうか。

(法律問題に関しては、私は専門家ではないことを、あらためて強調しておきます。弁護士先生のブログで、これらに関して、コメントしているブログがあるかもしれないので、ご興味があれば探してみるのもよろしいのではないでしょうか。)

うんさんの疑問「なんで清算価値に触れないのか!」にお答えします

2009.06.03 *Wed
まずは、うんさんのコメント
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あえて清算価値に触れないのはお見事としか言いようがありませんね。
さすが投資銀行勤務、そこに触れてもらっては困りますかね?
難癖つけて安く仕入れてバラして売り払う、これははげたかさんの得意技ですからね。
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コメントありがとうございます。
大丈夫です!清算価値に触れて話したいと思います!

ちなみに、こことか、こことか、ここなどで、「コンセプトとして、清算価値で考えてもしょうがないですよね」という話をちらほら書いてあるのですが、そんな水臭いことは言いますまい。

改めて、そこの点に絞って書いてみたいと思います!

まず、清算価値(英語ではliquidation valueといいます)とは何かについて、ひらべーったく簡単に書いてみます。

● 清算価値とは
清算価値というのは、会社を清算するときの価格のことです(そのまんまですね)。概念としては、資産を時価で売却して、負債を時価で返済して、清算手続き費用を引いたもの、と考えて宜しいかと思います。

コストアプローチ(資産性基準評価)の一種といういってもいいかもしれませんね。コストアプローチというのは、バランスシートで考えよう、ということで、簿価純資産方式や修正純資産方式(時価で評価して税控除を加味しようね、ということです)などがあります。

また、清算価値には、Orderly清算価値(時間をかけて売却プロセスをやった時の価値)と、Distress資産価値(急いで、全部まとめていっぺんに売却した時の価値)があるのだ、なんていう議論もあったりします。

● 清算価値を使うべきか
まず、そもそも論なのですが、企業の売却において、清算価値は一般的に使用されません。

M&Aにおける企業評価の基本的基準として、
① ゴーイングコンサーン(継続企業)として考える
② 将来予測で考える
③ 支配権プレミアムを考慮する
④ マーケットベースで考える
などがあります。

清算価値というのは、①や②に反した考え方なんですね。すぐに解体して、現在の資産ベースで評価する方法なので。この意味で清算価値の反対の意味の言葉は継続価値といいます。
破たん企業とかにはもちろん使えます。

なお、一般的に、まともにビジネスをやっている企業の場合、継続価値の方が清算価値より高くなります。

一応言っておくと、実務的にもこの清算価値(というか、修正純資産方式)を使うことがたまにあります。
小さい未上場会社の場合や、不動産リッチな会社(不動産売買と考える場合)の場合です。

今回のかんぽの宿売却は、かんぽの宿の従業員の雇用を守りながら、事業継続前提で行われたと考えてみましょう。

この場合、「解散」ができません。解散できないということは、「解散価値が取り出せない」ということです。
極端な例でいうと、売却すると100億円になるダイヤモンドがあったとします。でも次の所有者がこのダイヤモンドを売却すると呪いで死んでしまう、ということがあるとします。そうしたら「え?売れないのなら、見て楽しむ価値の分だけにするよ!でも、管理コストもかかるから、見て楽しむ価値―管理費用(セコムとか)だけなら払ってもいいよ」となることでしょう。(分かりにくい例だな・・・)

解散できない場合、「買った人」は、「買った事業から上がってくる収益/損失」に対して、いくらまで支払っていいかを考えて、評価するしかありません。

実際には、色々な評価方法の評価をすべて勘案して、価値を決めます。
あくまで包括的に、そしてマーケットを考えて、です。

● 清算したらどうなのか
じゃあ、清算しちゃえばいいじゃん、こんな赤字事業!という考え方も当然あろうかと思います。
清算価値を考えて、そっちの方がずっと高いというのあれば、清算(事業閉鎖)にともなう反響・影響が無視できるのであれば、売却でなく生産でもいいのではないでしょうか。
でも、影響、反響は無視できますか?

清算の結果、損をしたというのであれば、今までの経営の失敗と考えるか(今の経営陣ではない)、これは簡易保険加入者へのサービスというコストであったのだ、と考えるのが妥当でしょう。

● 実際清算価値はどうなの?もっと高いの?
これは実際やってみないと分かりません。ちなみに結構面倒です。かんぽの宿の詳細情報を持っていません。そんなに時間をかけて、探して見るほどの時間もないので、割愛します。これはプライベートブログですので。
財務諸表はどこかで取れるのでしょうか。従業員て何人いるのでしょうね。

本当に解散するのであれば、一つ考えたいのは、清算価値には、「清算に伴うコスト」がかかるということ。
現在の従業員をどうするのか知りませんが、日本ほど解雇が難しい国もなかなかないので、退職金等の解雇コストもかかりそうだし、日本中のかんぽの宿の債権管理どうするんだろうなぁ。

何より、どれくらいの清算価値があるのか知りませんが、誰も、それだけの価格を入札に入れてこなかった(誰もそれほど高く買いたくなかった)というのも重要です。

● 結局どうやって売ればいいのか?
以前も書きましたが、実際、最高でいくらで売れるかを徹底的に時間と労力をかけてやったとして、それって、日本郵政にとって、どこまで重要なのか?という話です。
かんぽの宿は、日本郵政300兆円の巨大な資産の中に潜んでいる、割合としては小さな不良資産です。
一刻も早く、本業のリストラクチャリングに立ち向かって頂きたいものです。
かんぽの宿が、本当の最高価格で売れたとして、その差額と、改革が遅れることによる損失を、てんびんに乗せて考えるべきです。
全部まとめて、一括で早期にオークションを利用して売却する、という考え方は、そう悪い考え方ではないと思います。

ちなみに、買い手が「全国のかんぽの宿をバラバラに解体して高値で売ることだけを考えた会社」の場合、彼らはいくらで売却できるのか考えた上で、買収価格を出すでしょう。
そして、彼らの儲けは、「日本郵政がお金を払って最高値で処分してもらった費用」とも考えられます。これぞ機会費用ですね。でもそれを日本郵政が取りに行けるのかという問題と、価格最大化を引きだすノウハウが日本郵政にあるのかという問題がありますが。

● 2,400億円もかけて建設したものが、109億円で売却されるのは、おかしいと思うのだけれど?
うんさん(質問者さん)が、意図しているのは、このことではないでしょうか?
「清算価値」とおっしゃっておりますが、実際は多額の建設費のことをおっしゃっているのでは?
こういう論調の国会議員、マスコミ、ブログを結構見ました。

「ラフレ埼玉の土地・建物・備品の『初期費用』とやらが、300億円ほどだった」と聞いたことがありますが、建設費うんぬんは、評価にまったく関係ありません。「いくらかかったか」は買う人にとってはどうでもいいのです。
「いくらで売れるか」というのが、評価の大前提です。
だから、収益還元で評価したり、資産を時価評価(つまりいくらで売れるかということ)して考えたりするのです。

極端な例。山奥に、500億円かけて7色に輝く100メートルの大仏(しかもセンス最悪)を作ったとします。
誰がいくらで買いますか?
「ちょーウケル。100円なら買うよ」という人がいるかもしれないし、日本七色大仏教が「おお!これこそ探し求めていた御本尊!100億円で買います!」というかもしれない。

とにかく、建設費というのはどうでもいい。いまある建築物をいくらと評価するかが全てです。
土地は?値段が下がるはずがない?でもその土地には、建物や、従業員や、事業や、備品がすべてもろもろ付いてくるのです。しかも全国のかんぽの宿が一括で。
いくらかかったかと言う話を、いくらで売れるかという話には、企業のM&Aにおいては、あまり関係はありません。

● もっと高く売れるんじゃないの?
そうかもしれません。何かの種の評価方法を使えば、オリックスの落札価格より、高い評価額が出ることもあるでしょう。しかし、重要なのは評価額ではなくて、実際にお金を払ってくれる買い手が現れるかどうかです。

「いやー総務大臣として、かんぽの宿の売却プロセスがぐちゃぐちゃになって申し訳ない。鳩山家一族の資産をなげうって、500億円でかんぽの宿を購入させて頂きます!」というのならいいのではないでしょうか。

-------------------------
(おまけ)

● 「難癖つけて安く仕入れてバラして売り払う、これははげたかさんの得意技ですからね。 」
それはやくざと勘違いなさっておりませんでしょうか・・・。

● 投資銀行は誰のために働くか
投資銀行はクライアントの利益最大化のために働きます。
つまり、日本郵政がクライアントなら、日本郵政の利益最大化のために。
買い手側(たとえばオリックス)なら、オリックスの利益最大化のために。

なので、「さすが投資銀行勤務、そこに触れてもらっては困りますかね?」という発言の趣旨としては、私は買い手に雇用されていることが前提となっておりますが、もちろんそんなことはなく、そもそもこれはまったくのプライベートブログです。。。
それに繰り返し私が言っているのは、「どうしたら、日本郵政としての利益は最大化できるか」という話です。
買い手がいかに安く買うか、という話は一回もしていません。

鳩山氏の話が、突っ込みどころ満載なので、書いているというのが背景です。
本当に、談合や、不正があったかどうかは、定かではありません。私は検察でも総務省でもないので、内部情報は知りません。

しかし、鳩山氏の言っていることが、「意味わからん!」ということはできます。

● 投資銀行はハゲタカか
まだ、日本では外資系投資銀行はハゲタカと認識されていますか?
(実務的に、ビジネス界ではそんなことはないと思いますが。。。)

外資系投資銀行は金融のプロフェッショナルです。
そして、金融市場というのは、沢山のプロフェッショナルによって成り立っています。
一般の個人は、知識や経験でプロフェッショナルに劣るため、「保護すべき立場である」と考えられており、さまざまな法律が出来ています。例えば金融商品取引法などですね。

日本の金融機関も十分にプロフェッショナルです。

はげたかという名称は、昔、日本の銀行などから、不良債権を安く買い取った外資系ファンドや外資系投資銀行が、その処理によって、多額の利益を上げたことなどから、呼ばれだしたものと思われます。(たぶん)

では、あのとき、なぜ日本の銀行が不良債権を処理できず、また自分たちで利益を享受できなかったのか。それが問題です。本題とはずれますので、省略しますが、沢山関連書籍が出ていますのでどうぞ。

基本的には、回収できない金を貸して、隠し続けた金融機関の責任こそがフォーカスされるべきであり、不良債権を買い取って売却して利益を得る、というノウハウを持った者たちが、メインに批判されるべきではありません。(そういえば「ハゲタカ」という小説もありました。とても面白い本です)

● ハゲタカ(もしくは投資銀行)にだまされたくないんだけど?
金融をしっかり勉強して、かつ投資銀行を味方として雇えば宜しいかと思います。

先程書いたとおり、投資銀行が生きている世界はプロフェッショナルな世界です。世界の先進的大企業の方々は、非常によく勉強されており、投資銀行というフィナンシャル・アドバイザーを雇って、M&Aを非常に上手に進めようとしています。

相手が投資銀行を雇ったら、こちらも投資銀行を。そして、アドバイスに耳を傾けつつ、経験や知識を活かしてビジネスするのが王道です。

(おまけ終わり)
-------------------------

いかがでしょう?
議論が適当なところもあると思いますが、プライベートブログなので、こんなもので。

途中でも書きましたが、本当に談合や不正があったのかは不明です。それは外部から見ても分かりません。
しかし、鳩山氏の言っていることは意味不明なことが多いです。
M&Aの知識がなかったとしても、それに惑わされなように、というメッセージをこめて、お送りしているブログです。


最後に、
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51524973.html
ここに、鳩山氏の言っていること意味分からん、という趣旨のブログのリンク集がありますので、ご参考までにどうぞ。私は全部は見ていませんが、何かご参考になれば。

公平に、
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/11ef456ad1c4abf5b6a5083646f83423
これは、日本郵政の行動は意味分からん、という趣旨のリンクです。

そして、
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090530ddm002020088000c.html
これは、「不動産売却等に関する第三者検討委員会」がかんぽの宿に、「『落札価格は落札業者がかんぽの宿の経営を将来も続けて得られる収益を基に算出する。建設価格とかけ離れるのは当然』して、売却額と建設費は分けて考えるべきだと指摘した。」
という5月末のニュースです。

それではまた!

休日だからね2

2009.06.01 *Mon
土曜日は朝6時まで飲んで、7時に就寝。
そして日曜日、午後2時に起床。

天気がいい。

ひげもそらず、髪もセットせず、帽子をかぶって買い物に。

リージェンツストリートでは、スペインフェスティバルをやっていた。

そのあと、気の置けない友人と、あべのというお好み焼屋さんで夕食。
ひさしぶりのお好み焼き。おいしい。

最近、むしょうに食べたいのが、明太子おにぎり。
今日ジャパセンに立ち寄った時、明太子を発見。
でもごはん炊かないから、自分では作らないしな・・・。

その後、うちの冷蔵庫のアルコールのストックがなくなっているので、大量に買い込んでから、うちで二人で飲む。

日本の朝のTV番組を見ながら、だべる。

GMのチャプター11申請の報道に、フジテレビの木村なにがしさんが、「75%国有化ということですが、アメリカ国民は納得するのでしょうか」という意味不明なコメントをした時に、二人同時に突っ込む。

「意味わかんないんだけど!」

ホント、日本の民放のニュース番組とか、意味分からんよね、とか、スーザン・ボイルとか、薬事法改正とか、ニュースとか観ながら、午前1時くらいまで、飲みつつ、しゃべりつつ。


いっぱい飲んだ。


休日だからね。

プロフィール

Bond

Author:Bond
職業は悩めるインベストメントバンカー。ロンドンから帰国して早一年。日々M&Aなど行いつつ考えていることを、六本木からお送りします。F1が好き過ぎて、いつかチームオーナーになるのが夢。



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